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Silent [CG Gallery (Vue)]

silent.jpg

(クリックで元サイズの画像が出ます)

使用ソフト:Vue6 Infinite,Photoshop

これは水の中を描いたものですが、海の中ではありません。
魚や生きている植物が極端に少ない場所、地下水脈の中を表現したものです。
原始的な葉緑素を持たない毛藻類(もうそうるい)はいるようですが、地下水脈は、海外、日本にも沢山、存在するので、その中には、退化した目を持つ動物性プランクトンなどがいる地下水脈もあるかもしれません。

葉緑素を持たないのは、光合成の必要がない、つまり暗い暗黒の世界だからです。
地下水脈には、いくつかの出入り口が存在し、これは、長い地下水脈の出入り口付近を水の中から見た、そんな一場面を描いたものです。
何年か前に放送された、地下水脈のドキュメンタリーで見た画像を思い出しながら描きました。

エンディングロールで流れた画像をもとにして描いたのですが、もともと視界の悪い中で撮影されている為、細部まで確認できず、上から青い光が暗黒に差すイメージだけで、地面や壁面は想像で作ってあります。

エンディングロールでは、凄く優しい感じの暖かい青い光だったような覚えがあるのですが、どうしても、暖かい光にならず、四苦八苦しました。
暖かい青い光と思えたのは、浮遊物などの不純物が、あったからかもしれません。といって、細かい浮遊物らしいものまで再現すると、絵がボケたような感じになるので(当然ですね)設定はしたけど、使用しませんでした。

洞窟潜水は、常に危険が伴うダイビングで、一番の危険性は、何らかの非常事態時に、浮上する場所がないということ。
地下水脈で、上も下も岩で囲まれているから、当然、陸上という場所は存在しないわけで。
どこかの出口まで泳がないと浮上できません。
(どこかの出口っていっても、何キロもあったりする)

後は、迷う、ということ。
迷路になっている洞窟は、目印や正確な地図を携帯していないと、確実に迷うでしょう。
で、ボンベの残量がなくなったりします。

素人が思いつくのは、まあここまでぐらいで、残りは、視界不良に慣れること、ボンベの残量を正確に把握すること、らしいです。
他にもあるのかもしれませんが、簡単に挙げられる項目はこれぐらいです。

ケイブダイビングは、命を失いやすく、分析した結果をみると、素人考えで洞窟に入り、迷って出られなくなり、ボンベの残量が尽きるのが多いようです。
後は、潜水時間が長くなる(多分迷ってる?)にあたり、上下からの圧迫感に耐えられなくなり、パニックを起こすなど。
常に平常心、冷静な判断が必要です。
残りは、不十分な機材(ライトやロープの予備)ペアでもぐるので、不十分なコミニュケーション、地上待機部隊がいないなど。
政府に容認された普通の学術調査では、必ず地上にいる人間たちが出口までの時間を計算したり、万が一に備え、サポートします。



前置きが、長くなりましたが、絵の解説を。

大気モデルは標準大気を使用。(訂正:最終的にボリュメトリックにしたようです。2007.07.16)
照明モデルは、グローバルアンビエンス使用。(訂正:最終的には、グローバルイルミネーションでした。2007.07.16)
レンダリング品質は、スペリオール使用。

レンダリング時間は、
1024Pixcel×768Pixcelで、9時間ぐらいでした。
照明度である環境光も天空光は58%。そもそも、太陽を削除してあります。

洞窟の穴というか、壁面は、地形で作ってあります。前回の”From the Cave"の洞窟部分の応用といったところ。(ブログの方に詳しくのってます)
簡単にいうと、フォトショップでタブレットペンで洞窟の形を描いて、地形に取り込んで作ります。

一番苦労したのが、ライト。
こう、地上から水中に降り注いでくる光なんですが、前回の海に使ったコースティクスとは、また違います。
水が波打つから、そこに日の光を受けて、水中にコースティクスが細かく発生するのであり、この場合は海ではないので、多分、水面も比較的静か、コースティクスらしきものも、大きくしか発生しないものと思われます。
光源は9個使用。
はじめはコースティクスの設定を大きくして使おうとして失敗。結局、ライトをいくつも重ねて、いい位置を探し続けました。
前回と同じく、水の質感を使ってません。
濃い紺色を大気に選び、ライトは明るいブルーを使用しています。

底面を照らす光は、光源を6個使用。
これはスポットライトで、色は白を使っています。

底面は、地形で、合成質感で作成しています。そこにエコシステムで密度変化を使って、石をばら撒いています。石は500個散らばってるはず。
わずかなオブジェクトは、フリーでcorncopiaで流れているものと、個人的にフリーで流されているものを使っています。

しかし、これを作成している時、今までにない孤独感を感じ、正直、後半は苦痛になりました。
私は深夜に作業することが多いのですが、こういう暗い画像を、えんえん、夜中にやってると、どうしてもダークな気分になってしまって。
地下水脈について知っている知識と、それの画像を描いているつもりになっているせいか、閉塞感というのか、暗い場所に置き去りにされたような気分でした。
いままでの作品は、作るにあたって、そういった感じ方したことなかったんですが、空と、地上の光、木々が無性に恋しくなりました。

やっとそれなりに満足するところまで行き着き、終えることが出来ました。
開放感を感じます。
この洞窟から、外に出れたような。


やはり3DCGをされる友人から、奥の方をもう少し暗くしたら、水を透過する青い光が映えて見えるかもね、というアドバイスがあったので、考えました。
実は、Vueでの設定で奥を暗くしてしまうと、数少ないオブジェクトが全く見えなくなるので、フォトショップにも出てきてもらいました。
レイヤーで奥を黒くブラシで塗り、いくらか透明度を下げて暗さを強調したつもりです。

後、描いている途中で、地下水脈のドキュメンタリーの動画をネットで見つけたので、解像度が悪いけど、参考に一応、つけておきます。
確かにこれなんだけど、完成間近ぐらいで見つけたので、殆ど私の描いた近影部分は想像です。(笑)

water_siryou.jpg

比べると随分、やっぱり違ってます。(笑)
絵や映像を見たから、という理由で作ったのは初めてだったので、いい勉強になりました。

でも、こういう生き物の気配がなさそうな暗闇を描くのは、当分、遠慮したいです。


コメント(6) 
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コメント 6

tinkerbell☆

わぁトップの絵がカエルになってる!!
完成版ですかーうれしいです♪

生き物のいない場所って描くの難しそうですね。
洞窟の絵雰囲気があっていいと思います。
確かに孤独な感じというかダークな感じも伝わってきます。

by tinkerbell☆ (2008-07-03 00:04) 

島川 類

tinkerbell☆さんへ

こんにちは!
TOPの絵、嬉しい&見てくださって、ありがとうございます。

でも、これ完成版ではないんですよ。
まだ、ずっと上があって、これは一部を拡大してレンダリング(パソコンに計算をさせて絵を仕上げること)をして仕上げてます。

実はTOP、失敗した、と思ってます。
おかしいな? 草が不自然に明るい緑で、どうしてか? と思ってたら、まだ上にある植物部分に、スポットライトを使っていたのを忘れてました。
どうりで、明るすぎるはずだ…。

近くTOPをこっそり変更します。
緑の色が少し褪せるぐらいなので、分からないかもしれないけど。(こだわり)

生き物がない絵を描くのは、辛かったです…。
ダイバーでも遠くに描こうかと思ったけど……配置したら、光の強度がもともとありすぎて、人影がとんでしまいました。

ダークな感じ、伝わりますか?
よかったー。何度も強制終了したけど、その甲斐ありました。

by 島川 類 (2008-07-03 16:37) 

furu

ページトップのカエル・・・いいですね。

水に飛び込もうとしてるのか、あるいは虫をまっているのか。
想像力が膨らみます。

1枚の絵から、いろいろな想像できるっていいですね。

洞窟内で起こっている事態は何?って。

空想が、膨らむCGを私も作りたいと思います。(思うだけ・・・)
by furu (2008-07-05 01:34) 

mindvue

ルイさん。こんにちは〜。
いや〜。いい絵に仕上がってますね〜。
雰囲気、バッチリですよ〜。

ケープダイビングって、未知の領域に踏み込む・・・みたいな感じがして、見ていてワクワクしますよね。
間違えると、死んでしまったり、出られなくなってしまったり、
自分では、絶対に行きたくないです〜(笑

映画では、「地獄の変異」というのを見ましたが、なかなか面白かったのを思い出しました。
地下水脈探検と言っても、ロッククライミングの技術や、サバイバルにも長けていないと、とても危険なのでしょう。

まあ、私は、秋吉・秋芳洞で満足です。

しかし、ルイさんも、色々なジャンルに挑戦していますね〜。

次回作がとても楽しみです。
by mindvue (2008-07-07 01:19) 

島川 類

furuさんへ

こんにちは。
お返事遅くなりすみませーーん。うちの娘は何を思って、朝食に45分もかけるのでしょうか。
わけわからん。
朝の忙しい朝食に45分だなんて、うちの朝食はフルコースかっての。

カエル、見てくださってありがとうございます。
角度的には、水を見ているようなので、飛び込もうかどうかってとこかな。
カエル見てると、いつ飛び込むか、いつ飛び込むか、と期待しませんか?

生き物の気配がない絵は、当分描かないでしょうね~。(懲りた)
建物を描くにしたって、そこには生活感っていうものがありますからね~。

うん、furuさんとこの、あのグラス、凄いじゃないですか。


by 島川 類 (2008-07-08 11:53) 

島川 類

mindvueさんへ

こんにちは!
絵を見ていただいて、ありがとうございます。

ケイブダイビングは、ドキュメンタリーで見たのですが、視界が悪いのはともかく、圧迫感が凄かったですね~。
あれ、死ぬ要因に、狭いところを通ろうとして、岩にひっかかって抜けなくなって…というのもあるらしいです。
道とういうか、行き先が先細りになっていくのが、分からないらしいのですね~。

出られなくなったら、確実に死が待ち構えているのも、怖いです。
私も絶対にやりたくありません。

地獄の変異、調べてみました。
面白そう~。ケイブダイバーが出てくる、こんな映画あったのですね!
見ます!

ドキュメンタリーのダイバーも、ジムで鍛え、ジョギングなど、欠かさずするそうです。自信が冷静に繋がるのでしょうねえ。
秋吉秋芳洞は、何度も行ってます~。
実家があるから、小さい時から何度も。クラゲの形をした鍾乳石、まだ、あの形のままかな。


by 島川 類 (2008-07-08 12:51) 

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